僕がマカンを好きな理由はエンジンの音である。どうせならポルシェ製エンジンのマカンに乗りたいということで、僕はベースグレードは選択肢から外した。実はマカンでポルシェ自製のエンジンを積んでいるのは中古車しかない。前期(Macan 1)型のマカンS・マカンGTS・マカンターボのみである。
電子書籍「ポルシェマカンのすべて」(2015年モーターファン別冊Vol.44)の44ページにエンジンの説明がある。
ベースグレードの2リッター直列4気筒はアウディ製である。マカンSとマカンターボ(このときにはまだマカンGTSが発売されていないがGTSのエンジンも同じ)のV6ツインターボは3.0リッターも3.6リッターもポルシェの聖地ツッフェンハウゼン製のポルシェエンジンである。
しかしながら、中期Macan 1 IIモデルからSとGTSとターボのエンジンはアウディ製のエンジンに変わってしまった。
根拠はEngineという雑誌のウェブ版の2020年9月の記事
https://engineweb.jp/article/detail/3296765
である。そこから引用すると、
「齋藤 マカンはボディ骨格やシルエットはそのままに、第1世代の後期型(注:実際は中期Macan 1 IIのこと)に切り換わってシリーズの拡充を続けている。僕らはこれまでに素のマカンとマカンSには乗ったことがあったのだけれど、ターボは未だだった。そのターボの広報車両の準備ができたので、もう一度、素の マカンとマカンSを伴って、3台の新型マカンに乗ってみた。
新井 新型で注目すべきは搭載エンジンですかね。マカンSだけでなくマカン・ターボもアウディ製のV6ターボ過給ユニットになった。
齋藤 前期(注:Macan 1)型では4気筒だけがVW製で、3.0Lと3.6LのV6ツインターボはポルシェ自製のものだった。それが、アウディ製の3.0Lシングルターボと2.9Lツインターボに置き換えられた。フォルクスワーゲン・アウディ・グループ内のシナジー効果を最大限に活かそうということなのだろうけれど、ビッグ・ボア×ショート・ストロークのポルシェV6より、スモール・ボア×ロング・ストロークのアウディV6の方がコンパクトだ。搭載が楽に なったし、そもそもフロント・アクスルの真上にドカッとエンジンが載るパワートレイン・レイアウトを採るプラットフォームだから、前後軸荷重の適正化に役立つはず。」
なので、真のポルシェ製エンジンのマカンが欲しい場合には前期(Macan 1)モデルイヤー2014から2018までのマカンS、マカンGTS、マカンターボ(あるいはターボパフォーマンス)を中古で買うしかないということになる。